当時僕は東京都内の会社のトイレにいました。
最初は、「あー、地震だー」とか思いながらウンコしてました。
強い揺れに変わり、「あー、強いなー」とか思っていたんですけれど、揺れ幅が過去経験した事の無い大きさで、体が揺さぶられました。
「あ、ヤバイ。トイレで死ぬかもしれない。けど、まだウンコ中だし」
僕はウンコをやめない。
隣の個室に入っていた誰かは慌てて出ていったような音がした。
聞いたことの無い建物全体ががきしむ音がし、出入り口の戸がバッタンバッタン開閉を繰り返しています。
「あー、ヤバイ。マヂで死ぬかもしれん」
ようやく揺れが収まった頃、僕のウンコも同時に止み、流そうとしたけど、流れないという状況。
居室に戻ると、数人の社員が机の下に居たり居なかったり。
これは防災訓練ではなく、リアルである。
とりま流れないウンコをそのままにしておくのもよろしくないので、「水が流れないため、ウンコがあります」と張り紙を貼っていた時、試しにレバーを引いたら流れました。
良かった。
いや、良くなかった。
東京の鉄道は全て運休となり、僕らはほぼ全員が徒歩で帰宅する事となった。
東京で働いている人間が一気に徒歩帰宅するとどうなるか?
凄まじい数の歩行者により歩道が渋滞し、車道に溢れます。
車も渋滞しています。
警官が交差点にいたりするが、ギリギリ捌いているような状況。
異常なトラフィックジャム。
そして、誰しもが身の危険を感じていた。
「とんでもない地震が福島沖で発生した」。
大抵の人達はそれしか理解していなかった。
ワンセグで映像をチェックしていた人は知っていたかもしれない。
津波の発生についてだ。
数時間かけて僕は当時住んでいた秋葉原に到着した。
足が痛くてヘトヘトであった。
緊急事態にともない早退(?)できたので、まんだらけコンプレックスにでも寄ってみるかー!と思ったけれど、お店は閉まっていた。
あらゆるお店が早終いしていた。
家に帰りついてTVを点けた。
とにかくどういう状況なのか知りたかった。
冒頭のYouTubeはその時みた映像で、「これはヤバイ」と感じた。
7年経過した今も、ヤバイとしか言えない。
島国に住んでいる我々に一体何ができるのだろう?
あんな津波が住んでいる都道府県の近海で発生したら、一体何ができるのだろう?
地球の規模でいうと、ちょっとした揺れなんだろうけれど、皮膚のような薄いプレートの上で生きている僕らにとっては大問題であり、無力である。