当時の僕は、オジサン方の脳みそに蓄積されたブラックボックが仕様である古いシステムに対して、ツギハギのように改修を延々と行うという地獄のような現場にいましたが、2年を経過した頃に新しいお客様の所に常駐する事となりました。
10年前、ISO9001(品質マネジメント)や、CMMI(プロセスの成熟度を上げていく)といった言葉がやたら流行っていました。おそらくSIer企業に所属していた人の多くが聞いた事があるんではないでしょうか?同時期にデザインパターンも流行りはじめており、アジャイルやXPといった開発プロセスも言葉だけ先行して賑わいをみせていたように感じます。プロセスやらモダンな開発手法に憧れるような風潮が漂っていたように思われます。
当時、ISO9001やCMMIの対応を初めて行う企業が沢山あり、歴史も浅かったため、業務に追われる中嫌々やっている現場が多かったかと思うのですが、僕がその頃常駐していたお客様の所はCMMIに素直に取り組んでいる現場でした。レベルいくつを取得したか覚えてませんけれど。
その現場では、意識の高い20~30代のプロパー10数名で構成されたチームにBPとして常駐させてもらっていたのですけれど、彼らは意識の高さと共にタフさも兼ね備えていました。どれだけ忙しくてもプロセス改善を共通認識として、忌憚の無い意見が互いに飛び交い、忙しく働き、時には激しい口論になりつつも、呑み会の席では気持ちよく打ち上がるといった、とても爽やかな人々でした。
僕が今まで遭遇したチームの中で彼らは最も気持ちの良い人々で、奇跡の現場だと感じています。何故あのようなチームに成り得たのかは、謎です。ただ、チームの一人ひとりがチームに居なくてはならないような、お互いに助け合っているような、そういう人間関係だったように思います。
☆蛇足
その現場で一人年配の技術者の方がいたのですけれど、その方は開発対象プロダクトのコア技術とも言える、特殊なハードウェア間のデータ通信プロトコルを一人で作り上げた功労者で、又あらゆる言語に精通していたため、現場の全ての人がリスペクトしてました。僕が今まで出会ったハカーの中で、そのオジサンは飛びぬけていたように思います。何故こんな田舎で働いているのだろうかと、皆不思議がっていました。
ちなみに、打ち合わせで話している内容が当時の僕にはほとんど理解ができませんでしたし、周りの人もほとんど分かっていないようだったのですけれど、そのオジサンが言うなら間違いねぇやという事で、全てがまかり通っていたように思います。恐るべしハカー(^^;)
ちなみにオジサンはガジェット好きで、WindowsXPが動作するちっこいPCを個人輸入で購入したーとか言って当時見せてもらったのは衝撃的でした。
買い物山脈