- 出版社/メーカー: ギャガ
- 発売日: 2017/08/02
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (2件) を見る
『フルメタル・ジャケット』ハートマン軍曹もびっくりなハードコア暴力教師のフレッチャーと若きドラマーアンドリューの物語。
フレッチャーは狂気だ。
ジャズの天才を生み出そうと鬼と化している。
そのためには若者の未来など知ったことではない。
もちろん自分の未来にも興味が無い。
フレッチャーにとっては自分も生徒も大事ではない。
天才に会いたい。見たい。ただそれだけを言動力とした狂人なのだ。
学生にとっては最悪な先生だ。
自らが大学をクビになった事も、アンドリューが心を折ってしまう事もどうだっていい。
アンドリューが殴りかかって来た事もフレッチャーにとってはどうとも感じていなかっただろう。
ただただ「天才」を生み出したかったフレッチャー。
と、僕は感じた。
フレッチャーの行動原理は「天才」を生み出す事だ。
何故そこまでジャズの鬼となってしまったのだろうか?
わからない。狂人すぎる。
- アンドリューに椅子を投げたのも
- アンドリューをビンタしたのも
- アンドリューが預かった楽譜を隠したのも
- 本番直前にアンドリューに「密告はお前だ」と言って同様させたのも
- JVC音楽祭で知らない曲を始めてアンドリューを貶めたのも
「天才」が生まれる可能性にかけたのだ。
…そして映画のラストでアンドリューはやってくれた。
おそらくフレッチャーの予想を超えていた。
アンドリューもまたジャズの狂人だったのだ。
互いの狂気じみた音楽への狂信的エネルギーがぶつかり合う。
そして二人は分かり合えたように笑いあう。
おもしろかった。