- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2000/12/16
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 75回
- この商品を含むブログ (41件) を見る
劇場公開から20年以上経過した今も色々語られる本作。
「確かにな」と思う点もある。
しかし僕が本作から感じたのは、人間の「生き方」です。
清太も節子も、戦中を生きた子供である。
僕等はバブル崩壊後、少子高齢化で原発事故や地震や津波に見舞われ、GDPは世界3位から低迷しっぱなし。政治家の汚職やつまらない政局が報道され、2020年の東京オリンピックを間近にしている。この時代にも子供達はいる。少ないけれど。
いずれの時代であっても「生き方」を迫られる。僕等はどう生きるのか?と。
清太も節子も叔母の家を離れ、二人で生きる道を選択した。
子供の二人が生きていくベターな選択肢としては、頭を下げて叔母の家に厄介になる方が賢いと思うんだけれど、そうしなかった。
彼らは「生き方」を選択したのだ。
無鉄砲で無計画で純粋で愚かで優しくて。
彼らは選択したのだ。
そこに善悪は無い。
時代がどうであろうと、その時どういった選択をするのか?
それが人間であり、とても人間らしい作品だと思った。
☆蛇足的感想
元気に清太と節子が浜辺で走っているシーンは泣ける。その後、二人共に栄養失調で衰弱していく様がコントラストとなり際立つからだ。見終わった後に元気な頃の二人を見たいと思ってしまう。
なお、本作のアニメーション的観点で注目すべきは、節子の動きであり、実に子供らしく素晴らしいものだった。wikipediaを参照するに、本作は20人もの原画マン。動画マンはさらに3,4倍はいるように思われる。
原画マンには庵野秀明さんが参加されている事に少し驚いたけれど、それ以上に梅津泰臣さんが参加されていた事を知って驚いた。
未来の巨匠が火垂るの墓に参加していたとは。