☆忘却はとても自然な事
記憶は時間とともに薄ぼんやりとしていき、いずれ消えたように感じていきます。
ある期間アクセスしていなかった記憶や思想が、アクセスに時間がかかる領域に追いやられていきます。古いものほど深くに。
これが所謂「忘れる」という感覚なのでしょう。
脳へのストレスを減らすために直近で不要なものは、コストの低い領域に移動されているように感じます。とても合理的。
昔の記憶は、ふとした拍子に再度蘇って(コスト高領域への昇格)きたり来なかったりと、たびたびファジーな振る舞いをします。
☆抗えないアクセスエラー
忘れてしまったであろう記憶には、単純な情報の塊ではなく、意志や感覚のカケラもあるように思います。
忘れる前は、自己を突き動かしていたであろうダイナミックな意志であったり、愛してやまない感覚や、楽しめる感覚。
それらを忘れた後は、まるで別人のようではないかと思う時があります。
そしてアルバムを見るように、懐かしき自己を構成する記憶にアクセスしたいと感じます。
- あの頃の僕はどういう感覚だったのだろう。
- あの頃の僕ならどうするだろう。
けれど、どうしても思い出せない時があります。
現存する自己意志のバイアスによって、まるで復元を拒絶しているかのようです。
しかし、無くしてしまったアルバムに固執する必要も無いのでしょう。少なくとも現時点では抗えないアクセスエラーなのだから。
☆突如再会できた過去の自分
本当にふいにそれはやってきます。
何かがトリガーとなり、古い記憶が新鮮な脈打つ記憶領域に"にゅぷにゅぷ"と顔を出してくるのです。
いつまた消えるとも知れぬ過去の断片と奇跡的に再会できた喜び。
一生懸命に生きた人ほど照れ臭い再会なのでしょうね。
ではでは。
☆蛇足
「忘れがちな事ってあるよねー?ねー?」っていうエントリーを書こうとしていたのですけれど、なんだこれ…(^^;)
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