☆2018/04/29時点
- 作者: 桑佳あさ
- 出版社/メーカー: ノース・スターズ・ピクチャーズ
- 発売日: 2015/11/11
- メディア: Kindle版
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交通事故により88歳でこの世を去った「三芳とよ」おばあちゃん。
しかし記憶を持ったまま生まれ変わりを果たします。
そして88歳+6歳となった「月見里日向(ひなたちゃん)」の生活が描かれていく。
コミックゼノン|「老女的少女ひなたちゃん」コミックス1巻より引用
前世の記憶と現世の己の置かれた状況とのギャップに遭遇する中、それでも明るく振る舞うひなちゃんが描かれており、可愛くもノスタルジックなそのバランスに、本作を読んでいた僕は涙したのです。
漫画のジャケットは可愛らしさが全面に出ていますが、ただただ可愛いらしさを推す萌えや、百合漫画とは一線を画す作品となっていました。
癒しや涙を求めてる人にオススメの漫画です。
コミックゼノン|「老女的少女ひなたちゃん」コミックス1巻より引用
☆蛇足
本作を読んでいて連想したのは僕の母方の祖母の事でした。
物心もついていない幼少の頃からお世話になっていました。一緒に寝てくれたり、お正月にはお節料理を作ってくれたり、お年玉をくれたりしていました。
子供のころは単純に「おばあちゃん大好き」だった。
中学、高校と進むにつれ、この世の不条理と毎日向き合う中、おばあちゃんの事をないがしろにしていました。
親族から老人ホームに追いやられてボケて亡くなったおばあちゃん。
僕はおばあちゃんの死に目に会うことはなかったし、葬式にも出席しなかった。
だって、死んだ人間に何をする事もできないのだから。
そう思っていましたし、今も変わりません。
何かするなら生きている間しか意味は無いのです。
ごめんねおばあちゃん。たくさん良くしてくれたのに。
最後は僕の母が看取ったそうです。
生前、僕の父親がおばあちゃんと老人ホームで話をしたそうです。
ボケてて誰かわからなかったそうですが、好きに出歩くことを許されない老人ホームが嫌そうだったそうです。
家に帰りたかったんだと思います。
祖父が亡くなって、数十年間家を守ってきたおばあちゃん。
その家も親戚により建て替えられて、おばあちゃんは追い出されて、帰る場所も無くなっていた。
そして、還っていったのです。
たまたま一度だけその親戚が主催する法事に行きましたが、介護を放棄しておばあちゃんを追い出した当人は偉そうな態度で居ました。
別に怒る必要もありません。形式的にはわざわざ法事も執り行っているのですから、とても偉いと思います。
けど、死んだ後の法事に何の意味があるのだろうか。
久しぶりにおばあちゃんの事を思い出しましたので、蛇足が長くなりました。
おばあちゃん。ありがとうね。ごめんね。