自分を好きになれないと他人を好きになれない理由

「自分を好きでいますか？」

本とかラジオとか友人とか、どっかしらで見聞きするこの言葉。

僕は子供の頃、聞くたびに「自分なんか好きなはずないじゃないか」と思っていました。

子供の頃は外見ばかり気にして、この問いの意味を深く考える事はありませんでした。

生きていく中で、少ないながらもいくらかの人間関係を経て現在があります。

様々な人達と話をしてきましたが、いつまで経っても他人は他人のままで、自分は自分のままでした。それぞれが別々であり相容れる事は無い。物理的に断絶している人間関係が当然の事であり、自分なりに納得していました。誰かと仲良くなる事もありましたが、根底は変りませんでした。

そんな中、やはりあの言葉がどこかしらから聞こえてきたのです。

「自分を好きでいますか？」ってね

大人になって、この問いには続きがある事を知ります。

それは「自分を好きでなければ、他人を好きにはなれない。」って事。

しかし、僕は自分を好きじゃなくても他人を好きでいられると感じていました。他人は他人であり、自分自身を好きでなくとも無関係であると思うからです。

その後、他人の事をあれやこれや考えていると、いつだって自分を軸にして相対的に他人の良し悪しを観ている事に気づきます。

つまり、身を持って経験した自分自身の良さと悪さを理解できなければ、他人を観るにはまだまだ未熟だという事です。未熟であるがゆえ、他人を観る場合に自分では理解しきれない部分が出てくるように思うのです。

理解できない場合には、他人の知識に頼るしかありません。

「自分を好きでいられない人から観た他人の好きな所」というのは、「自分以外の誰かの知識」でしかなく、本心から好きである事を理解できない。その好きだという感情は、本とか雑誌や誰かからか聞いたお話でしかない。

よって、「自分を好きになれないと他人を好きになれない」となります。

……どうだろう？今の僕はこのように理解しています。

ちなみに僕が僕自身を好きでいられているかというと、まだまだ自信は無いです。好きでいるにはどうすれば？と日々考えていたりします。

ここまでの文章を書いていて、この本を読んでいた子供の頃を思い出しました。色々思い悩む時期に、シャイで悩む男性達に関する本を読んでいました。何の解決にもならずグルグル悩むばかりだったように思うのですけれど、草食系なんて言葉も存在しない肉食系の多い時代にしてはエポックな書籍だったように思います。

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