泣いている子供をあやしている親御さんを見てふと思った。
子供は何故泣いているのだろうかと。
疾病から発するものを除いて、人生の先輩たる親からすると、大抵の場合は取るに足らない理由で泣いている事が多い。
生きて行く上で何の耐性も無い子供は、未体験の事象に日々遭遇する。自己解決できない事象に遭遇して、どうする事もできない子供は、「泣く」のであろうと予想する。
また、場合によっては「泣く」ではなく、黙ったり笑ったりと反応も個性によって変わるだろう。
我々は既にあらゆる耐性がついているせいで、子供達が泣く事を理解できないでいる。
仮に、僕が万物の法則が全て異なる世界に突如飛ばされたとしたならば、泣いてしまうかもしれない。そう考えると恐ろしくも感じられる。
周囲の尽力により、僕はある程度この世界における耐性が付いた。耐性は年々強固なものとなり、昔よりも鈍感になっているように思える。歳をとっても鋭敏な感覚を保てる人は、個性的だと感じてしまうほどだ。
