†でおきしブログ†

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弓道のお話_その5

弓道以外の記事を書こうと思っているのですが、ピンと思いつくものが無いので暫く続けます。
引き続き、弓道のお話 その5を書いていきます。

  • 前回までのあらすじ
    • 初めて試合形式の練習にて、応援方法を知るdeokisi
    • 皆的(カイチュー)して自分も拍手をもらえるようになろうと思った



さて、応援だけが僕ら1年生の仕事ではありません。

矢の回収です。


当然ながら矢を放って、的や的の周辺に刺さった矢はそのままにしていると、後続の矢がぶつかってしまい破損してしまいます。
従って僕らは矢の回収のため、的が並んでいる脇の小屋に向かいます。

弓道場の詳細についてはコチラ[(弓道場 - Wikipedia)]


5人が全員打ち終わる頃に、小屋から赤い旗を出します。
これは、「僕ら矢の回収をするから、矢を射らないで!!!」という意味です。

射場からは、全員の射の終了を確認した後、"回収していいよ"という合図を送ります。
大きな弓道場では、ブザーを鳴らして合図としたりしますが、学校の弓道場では「お願いします!」とか「ドーゾー!」とか大声で伝えます。

合図を受け取った小屋待機の僕らは「入ります!!」と言って矢の回収に行きます。
(文化の違いで言わない場合もあります。)


さて、単純に矢を抜くのでは無く、何本的に矢が刺さっているのかを知らせるのも、矢を抜く人たちの仕事となります。


大きな弓道場では、1~4の数字の書かれたプラカードを用意して、それぞれの的の前に当たった数を示しますが、学校の弓道場ではやはり声を使います。「1本!!!」とか「無し!!!」とか「カイチュー!!」とか言います。
ここで伝えられた数を記録していきます。これで正式に当たった本数が確定します。(試合中は○と/(斜線)で当たり外れを実況します)


数が確定したのち、僕らはようやく矢を抜いて回収する事ができます。
回収したら素早く小屋に戻り、矢の先についた土をボロボロのタオルでふき取ります。
(立派な弓道場でも大抵はボロボロのタオルです)


1年生のうちに矢に触れる機会が多いのは、この矢の回収時となり、なかなか個性的な先輩の矢をまじまじと見れる機会なので、これはこれで楽しいです。


矢は、パーツの組み合わせ次第で見た目が変わります。
羽の形状やシャフトの色・長さ、矢じり、矢はず、そして羽のついたシャフト部分にはアルファベットで所有者の名前が通常記載されます。

シャフトに記載するのは名前じゃなくても良いです。「封印されし黒龍」とか「君のハートに届け」とかなんでも良いです。
ただ、試合会場で使うと、恥ずかしい思いをする可能性大ですけど^^;


さて、今日は矢の回収のお話でおしまいです。


蛇足

ちなみに、通常の弓道のチーム戦では一試合中に5人組でそれぞれ1人10本射ちます。
最大50本中、何本的に当たったかで競われます。

10本は一気に射つわけではなく、4本、4本、2本に分けて行います。
合計3回、射場に入って射る事になります。
従って、矢の回収もこの区切り毎に実施されます。


・・・3回にも分けて射るのってメンドくない??何の意味が?とおっしゃる方がいるかもしれません。
この3回に分けて行う事については、誰が決めたルールか僕も知りません^^;

しかしながら、この3回に分ける事によってドラマが生まれます。


例えば最初の1回目の4本射ち終わったら、他のチームが射ち終わるまで待っている必要があるため、待っている間に、4本x5人 = 最大20本の的中数 が各チームでどうゆう進捗となっているのか、同じ学校のチームやライバル校の的中数がどうなっているか?
ドキドキしながら応援や矢の回収等する事となるわけです。

これが、次の4本、そしてラストの2本(一手)となるに従って、緊張感がどんどん増していきます。


弓道の醍醐味として試合独特の緊張感があります。
僕も緊張しすぎて、足だけじゃなくて全身が震える体験をした事があります^^;
若いうちにあのプレッシャーの前で堂々とできれば、大物になるんではないかと個人的には思います。


何事も緊張感のある場にはかならずドラマが生まれます。というか生まれ易いです。
ゆるやかな場よりも緊張感のあるほうが矮小な事象にも敏感に反応するわけです。
ビッグバンも多分そんな感じです。(違うかな)


日本の弓術 (岩波文庫)